ギガビット研究会代表あいさつ |
ギガビット研究会の発足にあたって |
ギガビット研究会代表
電気通信大学
特任教授(名誉教授)
上 芳夫 |
電気通信大学では、大学の研究成果と知識をより有効に産業界で活用していただくために、国内外の大学などの協力を得て、ギガビット研究会を立ち上げることにいたしました。
本研究会は、ギガビット時代の製品設計に必要な高周波アナログ技術者(以下ギガビットアナログ技術者)の養成と、大学の研究成果と知識を産業界で広く活用していただくことを目的としています。研究会全体の活動に加えて、個々の企業のコンサルテーションや受託研究、共同研究などを引き受けるとともに、大学自体もこの分野の研究を充実させ、より多くのギガビットアナログ技術者を育成し、産業界に貢献することを目指しています。
近年デジタル機器の高機能化が急速に進み、身近な製品にも、HDMI、eSATA、USB3.0といった高速大容量データ転送規格が使われるようになりました。デジタル技術とともに、アンテナ、高速伝送、EMC設計などの高周波アナログ技術が、製品性能や競争力を左右する重要な鍵となる時代になっています。試作期間の増大や機器の不完全動作といった事態を避けるためにも、開発段階での的確な設計技術が必要になっています。手薄になったギガビットアナログ技術者を増員、再教育がしたい、製品設計現場で使える設計ガイドラインが欲しいといった要望が大学に寄せられるように
なりました。
この問題は、我が国のエレクトロニクスや通信、自動車、医療、建築など様々な業界において喫緊な課題です。電気通信大学では長年この分野での研究を続け、いくつかの企業と共同研究を行ってきましたが、産業界の要求に応えるためには多くの専門家、研究者の協力が必要であると考え、この分野の権威者である国内外の大学の先生方とも相談して本研究会を発足させることにいたしました。参加企業の方々、この分野の研究者、学会、関係機関の方々とも緊密に連携し、さらに大学や企業OBの方々にもご協力いただいて進めていきたいと考えています。
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