利益相反ポリシー
国立大学法人電気通信大学利益相反マネジメントポリシー
(制定:H17.2.9、改正:R3.5.19)
大学の最も基本的で重要な社会的貢献は、研究と教育である。しかし、急激な社会変化のもと では多様な社会貢献のあり方が求められてきている。産学連携や公共部門との共同など活動の実績が積み重ねられてきていると言えよう。こうした状況の展開とともに、多様な貢献形態の間に相互背反的対立や軋轢が発生する可能性もまた生じてきている。一方への貢献が他方へのネガティブな影響をもたらす場合がそうであり、「利益相反」(Conflict of Interest)と呼ばれる。
「利益相反」問題では法律的に合法であっても、大学としての社会からの信頼(インテグリティ)を維持することが重要である。そこに「利益相反マネジメント」の必要性があるのである。
このような状況のもと、ここに、国立大学法人としての電気通信大学(以下「本学」という。) 及び本学の役職員等(下記4−(1)に規定する対象者をいう。)が教育、研究、社会貢献という大学及び大学人としての職務を遂行する上で、遵守すべき精神を「利益相反マネジメントポリシー」において学内外に明示するものである。
1. 利益相反マネジメントポリシーの目的
本ポリシーは、本学及び役職員等が教育活動や学術研究活動そしてさまざまな社会活動を、深刻な相互背反的対立や軋轢を発生させることなく、適切・公正かつ伸びやかに推進できる環境の整備を行うことを目的とする。
2. 利益相反マネジメントの基本方針
本学は、教育、研究及び社会貢献活動の推進を公正かつ効率的に行うため、大学法人及び役職員等が関連法令を遵守することはもちろんのこと、利益相反問題が深刻な事態に陥らないよう適正にマネジメントを行い、万一深刻な事態となった場合には解決のための措置を講じる。この場合、法律的に合法であっても、本学のインテグリティを損なわないかどうかを明確にし、本学及び役職員等の尊厳を守ることを第一として利益相反問題を管理する。また、大学法人及び役職員等は、職務の遂行上、必然的に発生する利益相反を適切に管理することを責務とする。
3. 利益相反マネジメント体制
- 本ポリシーに基づき利益相反に関するマネジメントを行うため、「利益相反マネジメント委員会」を設置する。
- 利益相反マネジメント委員会の専門的アドバイザー機関として、学外の有識者を含めた利益相反マネジメントアドバイザリーボードを置く。
- 利益相反マネジメント委員会が行う利益相反防止に関する勧告等に不服がある場合は、役職員等は学長に申し出て、再審議を求めることができる。利益相反マネジメント委員会は再度審議を行い、学長が最終決定を行う。この場合、役職員等はこの決定に従わなければならない。
- 本学の利益相反に関する情報については、社会への説明責任の観点から必要な範囲で公表する ことを原則とするが、自己申告及びモニタリング等によって得られた個人情報については、その 保護に務めるものとする。
4. 利益相反マネジメントの対象者、対象行為及び基準
(1) 利益相反マネジメントの対象者
本利益相反マネジメントの対象者は、以下のとおりである。
- 本学役員
- 本学職員
- その他利益相反マネジメント委員会が指定する者
(2) 利益相反マネジメントの対象行為
本利益相反マネジメントが対象とする利益相反が想定されるケースは、以下のとおりである。
- 本学の定める兼業規定により許可されて行う兼業活動をする場合(技術指導を含む)
- 企業、他大学などに役職員等が自らの発明などを技術移転する場合
- 共同研究や受託研究に参加する場合
- 外部から寄付金、設備・物品の供与を受ける場合
- 本学の規定によって認められる範囲の報酬、株式保有などの経済的利益を有する場合
- その他研究活動に関し、外部から明白と思われる何らかの便益を供与される場合や、 供与が想定される場合
(3) 利益相反マネジメントの基準
本学の役職員等がその職務に対して個人的な利益を優先させていると客観的に見られたり(狭義の利益相反)、個人的な利益の有無に係わらず学外活動への時間配分を優先させていると客観的に見られたり(責務相反)、という利益相反(広義の利益相反)において問題を生じさせないこと。また、法人としての大学がその社会的責任を果たしていないと客観的に見られ(組織としての利益相反)、そのインテグリティを損なわれないこと。