利益相反ガイドライン

電気通信大学利益相反マネジメントのガイドライン

「国立大学法人電気通信大学利益相反マネジメント委員会」は、別に定めた「国立大学法人電気通信大学利益相反マネジメントポリシー」に基づき本学の利益相反に関するマネジメントを行うに当たり、以下のようなガイドラインを定める。このマネジメントは、役職員等が学外から受ける利益等を、利益相反マネジメント委員会が専門的立場から分析し、社会的受容性の範囲内にあることを大学として確認し、安心して教育研究に打ち込める環境を醸成することを目的としている。

利益相反行為は不正行為、あるいは法律違反でない限り刑事責任は問われない。しかし、役職員等の利益相反行為に対する制裁は、法人としての大学の経営管理上の責任と見なされる。
従って、法人としての大学は「利益相反は避けることができない。」ことを認識し、利益相反問題を次のようにマネジメントする。

職員等は、大学に個人の利益相反に関する情報を報告しなければならない。
利益相反に関する役職員等の個人情報は機密情報として扱い、外部に漏洩しないよう厳重に管理する。
大学に対する報告と大学から承認された役職員等の学外活動については、大学法人としてこれを保護する。
重大な利益相反問題が起こりうる場合には、利益相反の回避を勧告する。

（定義）

本ガイドラインにおいて「利益相反」とは以下のことと定義する。

「狭義の利益相反」とは、大学や役職員等が産学連携活動によって得る利益と大学における教育研究の義務が相反する状況をいう。
「責務相反」とは、役職員等が兼業活動などで企業等に負う責務と大学における教育研究上の責務が相反する状況をいう。
「広義の利益相反」とは、狭義の利益相反と責務相反を含んだものをいう。
「個人としての利益相反」とは、狭義の利益相反のうち、役職員等に関わるものをいう。
「大学（組織）としての利益相反」とは、狭義の利益相反のうち、大学（組織）に関わるものをいう。

参考：科学技術・学術審議会「利益相反ワーキンググループ報告書（2002/11/1）」

利益相反の判断事例

利益相反が問題となる可能性の低い事例

出版した書籍、委託された原稿、単発的な講演に対する印税、謝礼金の受領
政府機関等に対するコンサルタント業務
1年間に1民間企業等からの支払いが100万円未満の単独かつ単発のコンサルタント活動

利益相反が問題となる可能性のある事例

役職員等あるいはその近親者の行う、企業等へのコンサルタント活動への学生または研究生の関与
役職員等あるいはその近親者が行う、下記（1）～（3）に示すような利害関係のある企業等から支援を受けた研究活動
役職員等あるいはその近親者が行う、下記（1）～（3）に示すような利害関係のある企業等が所有する技術を評価する研究活動
役職員等あるいはその近親者が行う、下記（1）～（3）に示すような利害関係のある企業等からの調達活動

(利害関係)

コンサルタント関係を有する。
1年間にその企業等から100万円以上の兼業報酬もしくはその他の分配形式での報酬を受領している。
その企業等から100万円以上もしくはその他の分配形式（ストックオプションまたは未公開株等）でのロイヤリティ収入を有する。

重大な利益相反問題が起こりうる事例

大学が行う決定事項について影響力を行使できる地位にある役職員等が、大学が利害関係を持つ企業等に対し直接・間接の金銭的利益の所有権または支配権を持つ場合
役職員等あるいはその近親者が、100万円以上の兼業報酬を受領する、もしくは5％を超える株式所有権を有する、企業等から支援を受けた研究活動
役職員等あるいはその近親者が、100万円以上の兼業報酬を受領する、もしくは5％を超える株式所有権を有する、企業等の技術を評価する研究活動