電気通信大学
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2021年2月10日(水)

設計ガイドラインセミナー入門編・中級編のご案内

国立大学法人電気通信大学産学官連携センター
ギガビット研究会代表(特任教授、名誉教授) 上 芳夫

 当研究会が初心者用あるいは学び直し用として実施しています「設計ガイドラインセミナー入門編・中級編」は、受講者が各自で実験を行うことで理解を高めるという試みのセミナーです。
入門編には1部が「電気回路編」、2部が「伝送線路編」です。ここでの実験では波形発生器とオシロスコープを使用します。中級編では「ベクトルネットワークアナライザを使いこなすために」という副題で、簡易型のベクトルネットワークアナライザ(VNA)を使用します。それぞれ2日間(計16時間)にわたって座学と実験を行います。実験で使用する測定機器の使用法も習得できるプログラムとなっています。
受講へのお誘いに供するために、各々の内容を以下に示し、さらに実際のセミナーの冒頭部分を動画で紹介いたします。

設計ガイドラインセミナー入門編 第1部 『電気回路編』 詳細


非電気系の技術者、EMC技術初心者、回路設計・EMC技術に従事している方で電磁気学の基本に立ち返った正しい考え方を身に付けたい方・学び直したい方にお薦めのセミナーです。

『電気回路編』の内容は以下の通りです。

1. 直流での電圧・電流と電界・磁界
静電界は電荷が作る、電圧は静電界で定義、電流は電荷が動くこと、電流が磁界をつくる、電気回路の基本法則など
2. 回路素子と電磁界
キャパシタを電磁気学的にみる、グラウンド面と導体、インダクタを電磁気学的にみるなど
3. 交流での電磁界と回路素子
任意波形は正弦波の集まり、交流での抵抗、キャパシタ、インダクタの交流での動作など
4. 交流での回路解析の手法
フェーザ法、網目解析法、節点解析法、共振現象など

この講座の目標
電子機器の基本素子の動作がどのような電磁気現象の基礎にあるのかを理解すること、その応用として電子機器での現象・動作など式を用いずに定性的に説明できるようにすること、さらにEMC問題へ展開できるようにするための基礎的な考え方を確立することを目標にしています。
テキストの内容と進め方
まず平易なモデルやデモ実験により何が問題点かを提示します。次にこの現象や結果を説明する上で必要な電磁気的用語と電気回路的用語とを関連付けて説明します。これらの現象や用語の理解を深めるために、『実験を各受講者で行って』動作原理や性質を理解できるようにと工夫しています。波形発生器とオシロスコープをセットとする測定システムを用意し、測定機器の使用法も手ほどきいたします。



設計ガイドラインセミナー入門編 第2部 『伝送線路編』 詳細


第2部は電気(交流)回路を履修済みの電気系、または同等の知識を有する方々を対象にしたセミナーです。
回路設計・EMC技術に従事している方で、電磁気学の基本に立ち返った正しい考え方を身に付けたい方・学び直したい方にお薦めのセミナーです。

『伝送線路編』の内容は以下の通りです。

1. 集中定数回路(復習)
位相やフェーザ法を中心に第1部の復習(直流での電圧・電流と電界・磁界、回路素子と電磁界、交流での電磁界と回路素子、交流での回路解析の手法など)
2. 伝送線路の基礎
伝送線路はLC素子の集合、伝送線路の電磁界と線路電圧電流、平衡形線路と不平衡形線路、電力を運ぶ交流電磁界、線路キャパシタンスとインダクタンス、伝送線路を特徴づけるパラメータ、特性インピーダンス、入射波と反射波、時間領域での現象、電流は常に配線を一巡して流れるのか
3. クロストーク現象の基礎
低周波での磁界結合、低周波での電界結合、高周波でのクロストーク現象

この講座の目標
電子機器の基本素子の動作がどのような電磁気現象の基礎にあるのかを理解すること、その応用として電子機器での現象・動作など式を用いずに定性的に説明できるようにすること、さらにEMC問題へ展開できるようにするための基礎的な考え方を確立することを目標にしています。
テキストの内容と進め方
まず、平易なモデルやデモ実験により何が問題点かを提示します。次にこの現象や結果を説明する上で必要な電磁気的用語と電気回路的用語とを関連付けて説明します。これらの現象や用語の理解を深めるために、『実験を各受講者で行って』動作原理や性質を理解できるようにと工夫しています。波形発生器とオシロスコープをセットとする測定システムを用意し、測定機器の使用法も手ほどきいたします。



設計ガイドラインセミナー 中級編 詳細


最近では非常に多くの技術者が、ベクトルネットワークアナライザ(VNA)を使って、回路素子や伝送線路から構成される回路網の振る舞いを表現・評価することを行っています。VNAは通常の電圧や電流を測定するのではなく、ある条件下での回路網の特性・性質を直接測定する機器です。このため、電気系専攻の学部授業でもこれを取り上げることは稀です。この中級編は、VNAの測定値の意味、基本的な回路網での他の表現法との関係から始めて、EMCの分野では必ず出てくる伝送線路を中心に、その振る舞い、評価の考え方を学習します。

対象者は、電気回路でのオームの法則、キルヒホッフの電圧則・電流則、インピーダンス・アドミッタンスなどや、電磁気学の電界・磁界、アンペアの法則、ファラデーの法則などの基本的な知識をもっていること。VNAの使用経験は問いません。 (設計ガイドラインセミナー⼊⾨編 第2部(伝送線路編) 既受講者を含む。)

『中級編』の内容は以下の通りです。

1. ベクトルネットワークアナライザを使う
VNAの構成、初期設定、VNAでの測定値表示、VNAの測定結果から何が分かるのか、など。
実験:各自使用するVNAの校正を行い、同軸ケーブルを実測して位相の重要性を認識し、VNAの測定データはどのようなものかを理解する。
2. 回路網解析
網目解析と節点解析、Z行列とY行列、F行列、S行列、行列間の変換、など。
実験:回路素子をT型やΠ(パイ)型に組んだ回路での測定結果から素子の周波数特性を調べ、配線の働きや使用限界を評価する。キャパシタでは浮遊素子(ESRやESL)も評価する。
3. 伝送線路
伝送線路とは、平衡線路と不平衡線路、など。
実験:伝送線路となる条件は何か、伝送線路のつくる電磁界を測定し、伝送線路を理解する。
4. Heavisideの電信方程式の解表現
進行波理論、縦続行列表示、損失のある線路、など。
実験:特性インピーダンス、減衰定数、位相定数(実効誘電率)を測定結果から抽出する。
5. クロストークの原理
伝送線路における電界結合と磁界結合
実験:終端条件で異なるクロストーク特性、一部並走する線路間のクロストーク原因を磁界測定から探る実験を行う。
6. 多線条線路
近端クロストークと遠端クロストーク、モード変換、ミックスドモードS行列、など。
実験:近端/遠端クロストークの測定、シングルエンド励振したS行列からミックスドモードS行列を求める実験を行ない、各種線路での特性比較から性質の違いを理解する。

この講座の目標
受講者一人ひとりに準備された簡易型のVNAを用いて、各自で測定を行い、測定した結果から知りたい特性などを求め、特に、EMC現象を理解できるようにすることを目指しています。
なお、使用するVNAは帯域500MHzの2ポート測定器ですが、4ポートでの測定も出来るように自作プログラムを準備しています。
テキストの内容と進め方
それぞれの内容に関する例題を取り上げ、まず理論解析を行ない発生する電気現象等が何であるかを示します。その後、例題に対応するモデル試料を用いて簡易型のVNAを用いて測定を行い、発生している現象を確認したり、必要とするパラメータの抽出を試みます。





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